シネアンギオによる左室壁運動の定量的評価にかんする研究

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  • A STUDY ON QUANTITATIVE ASSESSMENT OF LEFT VENTRICULAR WALL MOTION BY CINEANGIOGRAPHY
  • シネアンギオ ニヨル サシツヘキ ウンドウ ノ テイリョウテキ ヒョウカ ニ

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抄録

近年,各種心疾患において,左室壁運動の異常が心機能に影響する因子として注目されるようになつた.従来より左室壁運動の評価は左室造影像の重ね合わせによる定性的な方法が大部分であつたが,左室壁運動の異常と心機能不全との関連性が解明されるに従い,左室壁運動の定量的な評価が望まれるようになつた.本研究では左室壁運動の異常を客観的かつ定量的に評価する指標として,相関分析法により得られる均等度指数(homogeneity index)を提唱した.本指標はシネアンギオ像からのデータをソナー・ペンにて入力する図形入力装置,および小型コンピュータからなるシステムを用い,今回開発したプログラムにより自動的に算出した.対象として健常例,狭心症,心筋硬塞,僧帽弁狭窄症について検討を行なつた.本研究で新たな壁運動の指標として用いたhomogeneity indexは左室造影モデル像での検討により,左室全周にわたる一心周期を通じての左室壁運動の定量的な指標と考えられ,個体間の比較,他の血行動態諸量との対比に有利である.血行動態諸量との対比では本指標は駆出率, mean Vcfとよい相関を示した.従来より用いられている血行動態諸量に加えて,左室壁運動の定量的な指標としてhomogeneity indexを用いることにより,各種心疾患での総合的な心機能の評価が期待される.

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