豚丹毒とエリジペロスリックス

書誌事項

タイトル別名
  • Swine Erysipelas and Erysipelothrix.
  • トンタンドク ト エリジペロスリックス

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説明

豚丹毒は, 豚丹毒菌の感染によって起こる病気で, 敗血症, 蕁麻疹, 心内膜炎あるいは関節炎を起こす豚の法定伝染病である。豚丹毒菌は宿主域が非常に広く, 豚以外にもいろいろな動物に感染し, 人では類丹毒と呼ばれる皮膚疾患の原因になる人畜共通伝染病である。しかもこの菌は自然界に広く分布し, 健康な豚の扁桃や皮膚, 魚の体表粘液及び動物の飼育環境中からも分離される。本菌には23種類の血清型の存在が確認されている。<br>著者らは, 全国各地から集められた本菌の血清型や病原性に関する疫学的調査を行ってきた。その一連の研究過程の中で, DNA-DNA相同性試験など遺伝学的手法を用いた分類学的検討により, 豚丹毒菌の新たな分類体系の確立に成功した。その結果, 永年にわたり1菌属 (Erysipelothrix) 1菌種 (rhusiopathiae) として分類されてきた豚丹毒菌が, その血清型などの違いに基づき, (1)豚に病原性を示す E. rhusiopathiae (従来から考えられてきた主たる豚丹毒の原因菌:16種類の血清型) と(2)豚にはほとんど病原性がないE. tonsillarum (健康豚の扁桃や飼育環境などから分離される豚丹毒菌の新菌種: 7種類の血清型) の少なくとも2菌種に大別されることとなった。

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