数種の捕食性ダニ類(カブリダニ科・ナガヒシダニ科)について

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  • Notes on Some Predatory Mites (Phytoseiidae and Stigmaeidae)
  • スウシュ ノ ホショクセイ ダニルイ カブリダニカ ナガヒシダニカ ニ ツイテ エイブン

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抄録

植物上から見いだされる捕食性ダニ類2科の7種の知見を報告した。両科ともハダニや小形昆虫を捕食する天敵ダニとして知られている。<br>Phytoseiidaeカブリダニ科(和名新称)<br>1) Typhlodromus vulgaris EHARA<br>フツウカブリダニ(和名新称)<br>四国から新たに記録した。<br>2) Amblyseius rademacheri DOSSE<br>ラデマッヘルカブリダニ(和名新称)<br>本州から新たに記録した。<br>3) Amblyseius orientalis EHARA<br>トウヨウカブリダニ(和名新称)<br>CHANT (1959)は本種が米国産のAmblyseius gracilis (GARMAN)のシノニムであると言っているので,著者は彼の説が事実かどうかを確かめるためにgracilisの副模式標本を精査した。その結果gracilisとは全く別種であることを再確認した。本種の産地に新たに本州を追加した。<br>4) Amblyseius largoensis (MUMA)<br>ラーゴカブリダニ(和名新称)<br>四国から新たに記録した。採集者(森介計氏)により本種がミカンハダニを捕食することが認められた。<br>5) Phytoseius nipponicus EHARA, n. sp.(新種)<br>ケブトカブリダニ(和名新称)<br>東京でキクの葉上において採集された標本を模式標本として新種を記載した。背毛の状態,肛門前方の毛の配列,第4脚の大形毛の分布と形態などによって同属の近似種から区別される。この属は日本から初めて発見された。<br>Stigmaeidaeナガヒシダニ科<br>6) Agistemus fleschneri SUMMERS<br>コブモチナガヒシダニ(和名新称)<br>長い背毛がこぶから生えていることで7)と区別できる。ポピュレーション間ではなはだしく形態上の変異がある。本州と九州に産する。日本新記録種である。ハダニを捕食する。<br>7) Agistemus terminalis (QUAYLE)<br>ケボソナガヒシダニ(和名新称)<br>こぶから生えていない細くて短い背毛を有する。本州に産する。採集者(真梶徳純氏)により本種がヤノネカイガラムシを捕食することが観察された。

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