Helicobacter pyloriの遺伝子構造と病原性

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タイトル別名
  • Genomic Structure of <i>Helicobacter pylori</i> and Its Pathogenecity
  • Helicobacter pylori ノ イデンシ コウゾウ ト ビョウゲンセイ

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抄録

Helicobacter pylori 感染は胃炎を惹起するとともに, 胃十二指腸潰瘍の再発因子および治癒遷延因子として作用する。また1994年, WHOによりH. pylori が胃癌の definite carcinogen group 1であることが認定され, 1998年には本菌感染がスナネズミに胃癌を発生させることが報告された。1997年と1999年に英国および米国の患者から分離した菌株の全遺伝子構造が解明された。両菌株のゲノムサイズは1.6Mb程度であり, 1,500前後のORFをもつ。機能が推定されているORF数は全ゲノムの約60%であった。ゲノムの約90%を占める1,406個のORFは両菌株に共通して検出されており, 両菌株の遺伝子が類似した塩基配列をもつことがわかった。本菌の病原因子として, 鞭毛, ウレアーゼ, cagA, cagPAI, vacA, アドヘジン, LPS, 熱ショック蛋白などがあるが, 胃十二指腸疾患発症に最も重要な病原因子は特定されていない。

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