うっ血性心不全を呈した犬の心臓血管肉腫の1例

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タイトル別名
  • 症例報告 うっ血性心不全を呈した犬の心臓血管肉腫の1例
  • ショウレイ ホウコク ウッケツセイ シンフゼン オ テイシタ イヌ ノ シンゾウ ケッカン ニクシュ ノ 1レイ

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抄録

12歳7カ月齢のパピヨンが消化器症状を主訴に来院した。身体検査を行い呼吸循環器疾患が疑われたためスクリーニング検査を実施したところ,心エコー検査にて右心室内腔のほとんどを占拠した腫瘍が見られ,その腫瘍は右心房内にも突出していた。この腫瘍により血液の流入流出障害が発現しうっ血性心不全を呈していた。X線検査所見から肺転移も疑われ,治療は対症療法を継続したが第34病日に死亡した。病理検査の結果,心臓血管肉腫ならびにその肺転移が認められた。本症例は心臓内腔に発生した血管肉腫が原因で心不全を発現したが,この診断には心エコー検査が有用であった。完治できない腫瘍が心臓にあったとしても,あらかじめ動物の家族が今後起こりうる病態を把握しておくことは経過を見るうえで重要である。

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