宮城県熊の作遺跡から発見された貞観地震による津波堆積物

  • 澤井 祐紀
    産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門
  • 谷川 晃一朗
    産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門
  • 篠崎 鉄哉
    産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門 筑波大学大学院 生命環境科学研究科
  • 田村 亨
    産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門
  • 那須 浩郎
    総合研究大学院大学 先導科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • AD 869 Jogan tsunami deposit found in the Kumanosaku archeological site, Yamamoto Town, Miyagi, Japan
  • ミヤギケングマ ノ サク イセキ カラ ハッケン サレタ ジョウカン ジシン ニ ヨル ツナミ タイセキブツ

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説明

仙台平野南部に位置する熊の作遺跡の発掘現場において,貞観津波に対比される砂層が発見された.砂層は有機質泥層に挟まれ,下位の地層との境界は明瞭であった.砂層の最下部は変形していることが確認され,堆積物の荷重によるものと考えられた.また,変形している砂層基底部と砂層主部の間にはほぼ水平の泥層が認められ,これは一連の堆積イベントで流速が大きく変化したことを示していると考えられた.この砂層には,Nitzschia brevissimaなどの半乾燥環境や陸域を好むとされる珪藻種や,Navicula gregariaなどの汽水生の珪藻種が多産する.放射性炭素年代測定を行った結果,砂層の堆積年代として,貞観地震の発生年代と矛盾しない年代(西暦745~930年)が算出された.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 55 (2), 59-66, 2016

    日本第四紀学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (10)*注記

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