マヤ文明と環境変動

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タイトル別名
  • Maya civilization and environmental changes
  • マヤ ブンメイ ト カンキョウ ヘンドウ

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抄録

本稿では,マヤ文明を人類史上で最も洗練された「究極の石器文明」と位置付け,文部科学省科学研究費プロジェクト「環太平洋の環境文明史」の一環として発掘調査を実施している,グアテマラのセイバル遺跡の事例研究を中心に,マヤ文明の盛衰を検討する.セイバル遺跡では,2,000年にわたってマヤ文明が盛衰したが,その起源は従来の学説よりも300年ほど早く,BC1,000年頃にさかのぼることが明らかになった.先古典期後期の2世紀頃,マヤ低地南部の一部の大都市が衰退したが,セイバルは繁栄しつづけた.セイバルは,5世紀の一時的な衰退から7世紀に再興し,マヤ低地南部の多くの都市が9世紀に衰退する中で,2回目の繁栄期を迎えるが,10世紀に放棄された.セイバル遺跡付近の湖沼においてボーリング調査を実施し,2011年にマヤ地域で初めて年縞を確認した.その結果,マヤ文明の盛衰と環境変動の因果関係を検証する見通しがついた.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 51 (4), 197-206, 2012

    日本第四紀学会

参考文献 (35)*注記

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