十和田-八戸テフラの海域での放射性炭素年代に基づく融氷期の三陸沖における海洋レザバーの復元

  • 池原 研
    産業技術総合研究所地質情報研究部門
  • 大串 健一
    産業技術総合研究所地質情報研究部門 神戸大学発達科学部
  • 野田 篤
    産業技術総合研究所地質情報研究部門
  • 檀原 徹
    (株)京都フィッション・トラック
  • 山下 透
    (株)京都フィッション・トラック

書誌事項

タイトル別名
  • A new local marine reservoir correction for the last deglacial period in the Sanriku region, northwestern North Pacific, based on radiocarbon dates from the Towada-Hachinohe (To-H) tephra

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抄録

テフラは陸域から,沿岸,浅海,深海,そして海溝域まで地質学的に同時に堆積するので,これらをつなぐよい鍵層である.海洋レザバー値を知ることは,海洋試料の放射性炭素年代値を暦年代値に較正し,陸域と海域間の地質学あるいは古環境イベントを対比するのに必須である.浮遊性有孔虫遺骸を用いた海域におけるテフラの放射性炭素年代値とそのテフラの陸域における年代値の比較は,テフラ降下時のその海域の海洋レザバー値を提供する.融氷期の三陸沖における地域レザバー値(ΔR)は,十和田─八戸テフラの海域(14.2 14C ky BP)と陸域(13.0 14C ky BP)の年代の比較から約830年と計算された.この値は現在の西部北西太平洋の地域レザバー値よりやや大きいが,より正確な復元にはより精度の高い陸域および海域の年代値の決定が必要である.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 52 (4), 127-137, 2013

    日本第四紀学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (83)*注記

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