大気運動のスケール特性について

書誌事項

タイトル別名
  • On the Characteristics of the Scales of the Atmospheric Motions

抄録

大気中の天気系の大部分は,大規模でも小規模でも,3つの発展段階から成っていることを示す。すなわち,調節段階(大規模運動に対しては地衡風調節と呼ばれる),発達段階,そして準定常段階である。この3つの発展段階に対応して3つの時間スケールがある。調節段階の時間スケールは最も短かく,発達段階はそれも長く,準定常段階は最も長い。これらの発展段階の物理過程はポテンシャル渦度の場の変遷発展に関係づけられる。大規模運動において.L0=c/ƒを特性的長さとするスケール効果があるのに類似してメソスケールの運動に対してはL0'=C/Ωという特性的長さが存在することを示す。ここにcは重力波の速さ,ƒはコリオリ•パラメーター,Ωは風速場のもつ絶対渦度の代表値である。或る適当な仮定の下で,積雲スケールの運動に対してもL0"=[u2/g/ρ∂ρ/∂z]1/2という特性的長さが存在する。ただし,uとρとは風速と密度の代表的な値である。メソスケールと積雲スケールの運動におけるL0',とL0"の役割は大規模運動におけるL0の役割に類似している。

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参考文献 (2)*注記

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