書誌事項
- タイトル別名
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- Seasonal Variations of Heat Budgets in Both the Atmosphere and the Sea in the Japan Sea Area
説明
1978年4月から1979年3月までの1年間について日本海域における大気中と海洋中の熱収支の季節変化を解析した。<br>対馬海流による熱輸送によって日本海が正味に獲得する熱量は夏に最大値を示し,その値は宮崎(1952)の3音近い。夏に日本海で貯えられる熱量の半分以上はこの寄与による。冬に日本海から大気へ与えられる熱量は日本海の熱含量の減少とほぼ釣り合う。また,「暖流域」から「寒流域」への熱輸送量は夏に小さく冬に大きい。従って,夏に対馬海流によって日本海へ流入する熱が主に「暖流域」で貯えられ,冬の日本海全域での大気への熱輸送に大きく寄与することになる。<br>日本海域では海気温差(Ts-Ta)および比湿差(qs-qa)が季節により大きく異なり,大気中の熱水蒸気収支の待徴の季節による違いが顕著である。春には海からの顕熱•潜熱補給量,大気中での凝結量,非断熱加熱率はともに小さい。夏•秋には加熱率が大きく,大気中での凝結熱発生と釣り合う。比湿差が最大となる秋には,凝結量と釣り合うのは海からの蒸発量である。この年の10月には日本海付近を総観規模低気圧の通過時に凝結に伴う大気の加熱率が増大した。この状況でも日本海からの蒸発量は小さくなく,凝結量の半分を占める。一方,海からの顕熱補給と大気の強い加熱という真冬の特徴は10月には北風卓越時にも見いだせないが,これは冬に比べるとまだ小さい海気温差のためである。
収録刊行物
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- 気象集誌. 第2輯
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気象集誌. 第2輯 61 (2), 222-238, 1983
公益社団法人 日本気象学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681480291840
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- NII論文ID
- 130007343655
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- ISSN
- 21869057
- 00261165
- http://id.crossref.org/issn/00261165
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可