冬季の太平洋と北アメリカにおける異なった天候レジーム間の遷移過程

書誌事項

タイトル別名
  • On the Processes of Transitions between Circulation Regimes during Winter over the Pacific and North America

抄録

冬季の太平洋と北アメリカにおける異なった天候レジームの特徴とそのレジーム間の遷移過程を,主に統計的に調べた。<br>最近40年間(1946年-1985年)の冬季における半旬平均500mb面高度データをもとにして,主成分分析が施された。さらに,成分スコアを考慮して,4つのタイプ(Pl',P1,P2',P2)の持続性のある天候レジームを抽出した。Pl'とP1は,南方振動指数(SOI)とは無関係に出現し,中緯度ジエット付近における定常波アクテイビティのソースによって形成,維持されている天候レジームである。これに対し,P2'とP2はSOIと密接な関係をもち,低緯度西太平洋から北アメリカへの定常波アクティビィティの伝播によって維持されている天候レジームである。<br>コンポジット解析により,これらの天候レジームの出現に先行して,大西洋~ユーラシア大陸上にそれぞれ特徴的な波列が現われはじめていることがわかった。しか,Pl',P1のレジームの出現に先行して現われている波列とP2',P2一のレジームの出現に先行して現われている波列とでは,全く異なった様相を示している。さらに,これらのレジーム問の遷移の兆候を表わす指標として,二つの波列指数(Ia,Ib)も提案された。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 66 (2), 277-290, 1988

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (24)*注記

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