乱反射と鏡面反射から成る混合反射法則に従う地面-不均質大気からの反射光について

  • 高島 勉
    Atmospheric Environment Service 気象研究所衛星研究部

書誌事項

タイトル別名
  • The Diffuse Reflection Radiation from the Atmosphere Bounded by the Hybrid Surface of a Diffuse and Specular Reflector

説明

Adding method(高島その他,1975)を用いて不均質大気からの散乱反射光の強度と偏光度を計算した.ここで大気は12のhomogeneous layersに分割された.大気~地面システムにはエアゾール高度分布による散乱光とオゾンによる吸収も考慮された.さらに地面は乱反射および鏡面反射を含む混合反射面とした.この論文では,VHRRやVISSRによるデータ(0.6-1.0ミクロン)に応用がきくよう0.65ミクロン(波長)の所を選んで計算した.エアゾール,分子およびオゾンの光学的厚さはElterman(1968)のものを採用した.さらにエアゾールの粒径分布はDeirmendjian(1969)のものを採用した(モデルL.m=1.34).計算結果から次のことがわかった.(1)低い太陽高度の時,前方方向に強い反射光を認めた.これた鏡面反射の方が乱反射より一層強いことが分かった.(2)高い太陽高度の時,もし地面が混合反射面であれば,鏡面反射方向に強い反射光を認めた.(3)さらに混合反射面であれば,太陽高度が低ければ一層大気~地面システムのアルベートが大きくなる.(4)偏光度は乱反射の割合が増加すると急速に減少する.これらの結果は,散乱反射光から地表面特性をパラメタライズすることへの応用を意味し従って人工衛星による地表面モニターへの応用を意味している.

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 53 (6), 467-475, 1975

    公益社団法人 日本気象学会

参考文献 (5)*注記

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