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  • The Morphology of the Subtropical Anticyclone

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亜熱帯高気圧の形態を研究するため,同高気圧が最も顕著に現われる8月の平均場を対流圏と成層圏を含めて解析し次のことがわかつた。上層の各等圧面間におけるシックネスの30°Nに沿う分布によると,南部アジア高気圧内は500mb面より高い層内で高温になつており,一方北西太平洋高気圧内は低温になつている。また北米大陸上の高気圧は南部アジア高気圧に較べて気温が低く大西洋高気圧内の低温ははつきりしない。これら両大陸上の高気圧は強さが異つており,それは高温をもたらすと考えられるチベット高原の走向や構造がロッキー山脈と異ることに起因しているかも知れない。500mb面での北西太平洋高気圧の強弱は極低気圧の強弱に対応しているが,100mb面での極低気圧に対しては南部アジア高気圧の強弱は対応していない。さらに30°Nに沿う垂直断面図上でみると、南部アジア高気圧の強弱は北西太平洋高気圧の強弱に対応していない。これらの事実から地上の北西太平洋高気圧は南部アジア上の高気圧に連らなつた垂直軸を持つているとは考え難い。その中心は上層に向つて西に傾き,100mb面ではアジア大陸東海上にできる別の高気圧性セルに連らなる構造をもつていると考えられる。地上から中部対流圏に卓越する太西洋高気圧と北米上の100mb高気圧との間の垂直方向の対応性ははつきりしない。また300mb面から100mb面の間に顕著に現われる南部アジア高気圧に対して北米高気圧はその強さがかなり弱いようである。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 46 (6), 431-441, 1968

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (4)*注記

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