台風における地表摩擦の役割について

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タイトル別名
  • The Role of Surface Friction in Tropical Cyclones
  • 台風における地表摩擦の役割について〔英文〕
  • タイフウ ニ オケル チヒョウ マサツ ノ ヤクワリ ニ ツイテ エイブン

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抄録

積雲対流の効果をパラメタライズしないモデルを用いた数値実験(Yamasaki,1977)で得られた台風において,地表摩擦がどのような役割を果していたかを調べるため,摩擦係数を変えて数値実験を行なって結果を比較した。地表摩擦は水平スケールを小さくし,また,眼や眼の壁の形成に対して重要な役割を果していることがわかった。もっと重要な結果は,地表摩擦がなくてもじょう乱が発達することで,この点ではYamasaki(1977)の台風(AFモード)は,地表摩擦が発達に対して不可欠なOoyama(1969)やYamasaki(1968)の台風(TCモード)とは異なっている。<br>NFモードを,地表摩擦がその不安定性に対して本質的でないCISKモードとして定義するとき, AFモードはTCモードとNFモードの重ね合わさったものと考えられる。すなわち,地表摩擦がないときTCモードは中立になるのでNFモードが卓越する。地表摩擦があっても,じょう乱のうず度が小さくて摩擦収束が弱いときもNFモードが卓越する。じょう乱のうず度が大きくなると摩擦収束が顕著なTCモードが卓越し,このときAFモードはTCモードの性質をもつ。 Anthes et a1. (1971)やKurihara and Tuleya(1974)の台風はAFモード的な性質をもっていることが示唆される。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 55 (6), 559-572, 1977

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (11)*注記

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参考文献 (17)*注記

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