ボックスラグランジアン雨滴落下スキーム

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タイトル別名
  • A Box-Lagrangian Rain-Drop Scheme
  • ボックスラグランジアン雨滴落下スキーム〔英文〕
  • ボックスラグランジアン ウテキ ラッカ スキーム エイブン

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抄録

新たな雨滴落下スキーム(box-Lagrangianスキーム)を開発した。従来のEuler型のスキームでは、雨滴の混合比qの時間変化を∂q/∂t=Vq/∂zから計算しているので、タイムステップΔtを雨滴の落下に対するCFL条件(VΔtz<1、ここでVは雨滴の落下速度、Δzは鉛直の格子間隔)をも満足するように決定しなければならない。そこで、新しいスキームでは1鉛直格子箱にある雨滴の総量(可降水量)が完全に保存するように雨滴の落下を考え、そうすることにより雨滴の落下に対するΔtの束縛条件を取り除くことができた。すなわち、可降水量を一定のVで落下させ、Δt後の落下位置にある格子に配分する方法である。<br>雨滴の落下に対するCFL条件から考えられる最大のタイムステップΔtc(=Δz/V)よりも小さいΔtに対してはbox-LagrangianスキームはEuler型のスキームと一致する。さらに、ΔtをΔtcの数倍にした場合でもbox-Lagrangianスキームは精度良く安定に雨滴の落下を計算した。数値モデルの下部の格子間隔を大気境界層を表現するために細かく取る場合、box-Lagrangianスキームは特に有効な手段となる。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 73 (2), 241-245, 1995

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (16)*注記

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参考文献 (19)*注記

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