ノーマルモード関数展開を用いたFGGE再解析データのエネルギー比較解析

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タイトル別名
  • Comparative Energetics of FGGE Re-Analyses Using Normal Mode Expansion
  • ノーマルモード関数展開を用いたFGGE再解析データのエネルギー比較解析〔英文〕
  • ノーマル モード カンスウ テンカイ オ モチイタ FGGE サイ カイセキ

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説明

本研究では、FGGEプロジェクトの評価を目的としてFGGE III-b解析データとその再解析データのスペクトルエネルギー解析を行ない両者を比較した。解析に用いたデータはGFDLおよびECMWFの新旧FGGE III-b解析の4種類である。これまでの解析結果によると、 GFDLの旧FGGE解析はノイズとしての小スケール擾乱を大量に含み、しかも風の場と質量場のバランスがわるいことが指摘されていた。このような特徴はGFDL特有の連続データ同化技術の適用によると考えられるが、解析値をより観測値に近付けモデルによるバイアスを極力おさえようとするGFDLの主義が反映されている。それに対しECMWFの旧FGGE解析データは過度に平滑化されており、赤道付近の発散風が弱められているという指摘があった。より優れた解析値とはより良い長期予報を与える初期値のことであるとするECMWFの主義がこのデータの特徴に反映されている。そのため、大気の非地衡風成分は一律5%以下に押さえるという操作が施された。したがって、大気の運動をノーマルモード展開によりRossby波と重力波に分離してエネルギーレベルを比較すると、ECMWFの重力波成分はGFDLの58%しかないという結果が旧FGGEデータに関して得られている。<br>FGGEプロジェクトにより得られた客観解析手法に対するこのような評価に基づいて、FGGEデータの再解析が行なわれた。再解析の結果、GFDLデータは旧解析よりも平滑化され、ECMWFデータは発散風を豊富に含むようになった。しかし、FGGE再解析データを同じノーマルモードエネルギー展開法により解析し、旧FGGE解析の結果と比較した本研究結果によると、ECMWFの再解析に含まれる重力波成分はGFDLの42%しかなく、両者の差異は改善されていない事が明らかになった。本研究では、このような、両者の差異が生じた原因についても考察した。

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