1899-1995年の間の海面気圧を用いた北太平洋上海上風の再現

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タイトル別名
  • Reconstruction of Sea Surface Wind Fields over the North Pacific using Sea Level Pressure Fields during the Period of 1899-1995

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北緯20度以北の北太平洋上の海上風(SSW)を、1899年から1995年までの97年間に対して海面気圧(SLP)(Trenberth's Corrected Yearly-Monthly Northern Hemisphere SLP、version 010.1)を用いて再現した。<br>海上風の再現方法は、以下に述べるように純粋に経験的なものである。先ず、船舶に搭載された風速計高度は1980年代平均約35mであるので、統合海洋大気データセット(COADS)から求めた1980年代の月平均SSWを標準高度である10mに補正した。次に、1981-1990年の10年間の資料から月々の気候値をSSWとSLPに対して求め、さらにこの10年間の双方の月偏差を各月に対して計算した。次に、地衡風バランスを仮定して、SLP偏差から月平均地衡風(GW)偏差を計算した。これらをCOADSから求めた標準高度に補正された月平均SSW偏差と比較から、“直交”回帰分析法により縮小係数と補正角という2つの調節係数を各季節毎に同時に求めた。これらの調節係数をGW偏差に適用し、月平均SSW偏差を求めた。最後に実際の風速を、1981年から1990年までの10年間で求めた各月の気候値と、各月の偏差を加えることで求めた。COADSからの高度補正されたSSWを基準場とするとき、再現したSSWの2乗平均平方根誤差は、風速で1ms-1以内、2ms-1以上の風に対しての風向の誤差は15度以内と見積もられる。再現風とNCEP再解析SSWとの比較も行った。その結果、NCEP再解析SSWは、1950年から1995年までの比較期間全体を通して、系統的に約8%程度風速が強いことが分かった。<br>冬季偏西風帯における再現されたSSWの大きさの時系列は、経年変動とともに約10年から数十年スケールの変動も示していた。例えば、1930年代半ばから1940年代半ば、偏西風が他の年代に比して著しく強いものであった。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 78 (6), 731-751, 2000

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (45)*注記

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