非塩素系脱蛍光システム

  • 渡邉 雅史
    日本化薬株式会社 機能化学品事業本部 色材事業部

書誌事項

タイトル別名
  • Nonchlorinated Decolorization Process for Fluorescent Whitening Agent
  • ヒエンソケイ ダツケイコウ システム

この論文をさがす

抄録

現在,市場にある古紙再生処理に関する薬剤は脱墨剤や漂白剤など,目的や用途に応じて多くの種類が存在する。古紙再生処理に使用される脱蛍光処理剤もその中の一つである。蛍光発光の消去を行う脱蛍光処理剤には,マスキング剤と塩素もしくは塩素を含む薬剤がある。しかし,マスキング剤は後処理や経時による再発光を引き起こし,塩素もしくは塩素を含む薬剤はAOX(有機ハロゲン性吸着物質)の生成などの問題を有している。そこで日本化薬は蛍光増白剤の製造技術とパルプの染色ノウハウを生かし,化学的な蛍光発光の消去を行う非塩素系のKayaclean AWとKayaclean IKを開発した。<BR>Kayaclean AWは少ない使用量でも大きな効果を示し,短時間,広いpH範囲での処理が可能である。脱蛍光処理剤としてKayaclean AWだけでも充分な効力を有しているが,さらにKayaclean IKを併用することで,その効力はより強力なものになる。また処理後に得られたパルプのL,a,b及び白色度は,未処理のパルプとなんら変わらない値を有している(黄色化しない)。Kayaclean AWとKayaclean IKは,再生処理コストや環境問題を解決しながら,古紙の蛍光発光を消去できる,今まで市場に無かった新しいタイプの脱蛍光処理剤である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 62 (9), 1102-1107, 2008

    紙パルプ技術協会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ