ヨーロッパにおけるクラフトパルプ排水の状況―現状と将来の可能性について―

書誌事項

タイトル別名
  • European Aspects of Kraft Pulp Effluents-Current Situation and Future Possibilities-
  • ヨーロッパ ニ オケル クラフトパルプ ハイスイ ノ ジョウキョウ ゲンジョウ ト ショウライ ノ カノウセイ ニ ツイテ
  • -Current Situation and Future Possibilities-
  • ―現状と将来の可能性について―

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抄録

この発表ではN材パルプの生産が殆どであるノルディック諸国を例題としてヨーロッパにおける漂白クラフトパルプの排水状況について述べる。どのようにして,またどんな方法によって現在の状況に達したのか,また紙・パルプ工業の状況とそれに対する規制がどのように調和させられてきたかについて言及する。現在ヨーロッパの紙・パルプ生産(漂白クラフトパルプを含む)の方向については“best available technology, BAT”に基づく指針がある。環境への影響を減らす努力はパルプ生産工程の中で実施する内部的処理方法と,排水が下水にいく前に処理を実施する外部的処理方法に分けることができる。<BR>内部的,外部的処理方法の利用によりCODおよびAOXのような汚染物のレベルを相当減らすことが可能である。2001年に規定された紙・パルプ工業のEU BATを考慮すればパルプ工場からの排出量はCOD8―23kg/ADTおよびAOX0.25kg/ADT以下でなければならない。ノルディック諸国の12のパルプ工場でのデータはそれが実行可能であることを示しており,かつ多くの工場がすでにこれらのレベルに達している。<BR>現実的でかつ環境に最適な紙・パルプ生産プロセスを開発することを目的とする大規模な研究開発計画であるEcocyclic Pulp Mill Project―KAMという名称のプロジェクトがノルディック諸国で実施され,結果として高度なクローズド化やChip Kidneyを含む技術が得られた。これらの技術は汚染物質のレベルをさらに低下させうる可能性があるが,まだ殆どの技術が商業化にいたっていない。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 58 (7), 944-957, 2004

    紙パルプ技術協会

参考文献 (20)*注記

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