書誌事項
- タイトル別名
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- Use of Paper Sludge Ash as Paper Filler and Pigment
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説明
静岡県の製紙産業は古紙の利用が盛んで, そのためペーパースラッジ (PS) の発生量が多く, その処分問題が早くから取り上げられてきた。PSは, 昭和40年代より様々な分野への利用法が開発され, 実用化されてきた。しかし, いまだに, 富士市内だけで年間100万t (水分65%換算) が排出され, セメント原料や製鉄保温材等に使われているが, 年間3万tの焼却灰が埋め立て処分されている。処分場確保の問題等もあり, 新しい用途開発が緊急の課題であることから, PS焼却灰を填料や顔料として紙にリサイクルする方法を研究した。<br>その結果, 二酸化炭素 (排ガス) を導入してPS焼成することにより, 白色度も高く, 軟らかい焼却灰を得るPSの焼成条件を見出した。見出した焼成条件が実用焼却炉で再現できることを確かめた。PS焼却灰は鉄分除去を行いながら, 乾式粉砕と湿式粉砕により所定粒径まで粉砕した。鉄分除去を行ったにも係わらず上市されている填・顔料より赤味のある填料・顔料となった。PS焼却灰の特性を検討するとともに, 内添紙や塗工紙を実機製造した。塗工紙はマット調に仕上がったが, いずれの試作紙も商業印刷の結果, 実用性を確認した。<br>これらの成果を生かして, 現在, 富士市内の製紙会社と共同でPS焼却灰リサイクル紙の商品化を検討中である。
収録刊行物
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- 紙パ技協誌
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紙パ技協誌 59 (4), 539-547, 2005
紙パルプ技術協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681492071040
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- NII論文ID
- 130004492286
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- COI
- 1:CAS:528:DC%2BD2MXjtl2js7Y%3D
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- ISSN
- 18811000
- 0022815X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可