紙製食品包装容器「蛍光物質検査法」の再現性改善

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of Testing of Fluorescent Whitening Agents in Paper Food Packaging and Containers

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説明

蛍光染料は, 食品衛生法で食品に直接接触する包装容器には使用が認められておらず, 検査法としては環食第244号が定められ運用されてきた。02年から03年にかけて, 保健所の検査で「蛍光物質の溶出 (食品衛生法第18条第2項 : 器具又は容器包装の規格・基準違反)」により回収命令および回収指導を受けた紙製品があり, この中には, 蛍光染料を意図的に添加していない古紙製品も含まれていた。<br>これら紙製品の蛍光物質溶出試験 (環食第244号) を複数の登録検査機関に依頼したところ, 公定法にもかかわらず, 登録検査機関により検査結果が異なるという問題があることがわかった。調査により原因は蛍光染料をガーゼ染着するときのpH条件が不適切なこと, 判断基準が曖昧であるためであった。この点について, 厚生労働省に製紙連合会を通じ申し入れした結果, 04年1月7日付で課長通知が出され, 染着pHの変更, 参考事例として写真の提示等の改善が行われた。<br>しかしながら, 新通知後も依然として検査登録機関間で検査結果が異なることがわかった。検査者によらず同じ結果が出る検査法に改善するため, 判定基準や具体的な検査条件, 手順, その他検査結果に影響を与える因子について詳細な検討を行った。その結果, 検査ガーゼ調製時の光と染着pHが検査結果に大きな影響を及ぼすことを見出した。ガーゼ調製条件や実験環境を厳密に規定し, 判定時に参考となるガーゼを用意することにより再現性のある検査法を確立した。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 59 (8), 1206-1213, 2005

    紙パルプ技術協会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681492256640
  • NII論文ID
    130004492322
  • DOI
    10.2524/jtappij.59.1206
  • COI
    1:CAS:528:DC%2BD2MXpsVWqtbo%3D
  • ISSN
    18811000
    0022815X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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