環境法規制の現状とその動向

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タイトル別名
  • Status and Trend of Environmental Laws and Regulations

抄録

1990年代に入り, 環境関連で多くの法律が公布・施行されてきた。その中の大きな流れの一つは, 廃棄物問題であり, もう一つは微量化学物質問題である。2001年1月に環境省が発足し, 今までにはなかった環境報告書や環境教育に関する法律等が公布され, 環境行政がまさに新時代に入ってきている。<br>廃棄物に関しては, 1995年から2000年の6年間で, 12件の法律が制定されているが, その内6件がリサイクル関連である。また, 廃棄物関連法の中心となる「廃掃法」については, 他の環境法令に類を見ない度重なる改正を延々と行っており, 最近でも2005年5月に不法投棄対策等の一部改正が行われた。廃掃法については, 2000年の改正が当時「終着駅」と言われていたが, 現実にはそうはなっていない。廃棄物に関しては, 小さな工場・事業所でも発生し, またそのリスクも大きい事から, その対応は環境担当者のみならず会社全体にとって非常に大きな課題となっている。<br>もう一つの大きな流れは, 1996年頃からのダイオキシン類やPCB, ベンゼン, トリクロロエチレン, 環境ホルモン等への対応および2003年の化審法改正である。この中で, 1999年に公布されたPRTR法 (化学物質の排出・移動登録) は, 従来の出口規制ではなく企業の高度の自主管理によるものであり, 化学物質の排出削減に大きな効果を上げてきている。<br>今回取上げた環境法令の中で特に紙パに関連でその動向等に注意を要すると思われるのは, VOC規制, 第6次水質総量規制, 人の嗅覚による臭気指数規制導入の拡大等である。その他PCBについては, 日本環境安全事業団への早期登録・割引制度が2005年中であり, 計画的な処理のためにこの制度の活用が重要である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 59 (11), 1620-1630, 2005

    紙パルプ技術協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681493035392
  • NII論文ID
    130004492223
  • DOI
    10.2524/jtappij.59.1620
  • COI
    1:CAS:528:DC%2BD2MXht1Cit7nJ
  • ISSN
    18811000
    0022815X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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