クリソニック®槽内監視センサーを活用した活性汚泥の運転管理

  • 埜村 誠
    栗田工業株式会社 ケミカル事業本部 技術サービス二部 技術サービス二課

書誌事項

タイトル別名
  • Advanced Operation in Activated Sludge Plant for the Stability Treatment and Reducing Energy by Using of KURISONIC, the Unique Monitoring Means for Sludge Settling Tank
  • クリソニック槽内監視センサーを活用した活性汚泥の運転管理 : 処理の安定化と電力費削減への取り組み
  • クリソニックソウ ナイ カンシ センサー オ カツヨウ シタ カッセイ オデイ ノ ウンテン カンリ : ショリ ノ アンテイカ ト デンリョクヒ サクゲン エ ノ トリクミ
  • ―処理の安定化と電力費削減への取り組み―

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抄録

活性汚泥はこれまで,“曝気槽”を中心に管理されることが多かった。当社で開発したクリソニック®槽内監視センサーを“沈殿槽”に設置して測定を行なうと,得られる「監視画像」から活性汚泥で起こる主要なトラブルを検知することができる。従来の監視項目,管理指標では判らなかった状態把握が可能となり,プラントを管理する上で有用なツールとなることが,数多くの現場で実証されている。<BR>本報文では先ず,「槽内監視センサー」の概要と,このセンサーの利用するための「画像解析」の技法について紹介し,続いてこのセンサーを活用した「改善事例」2種を紹介する。<BR>1)汚泥濃縮型運転を行なうと,返送流量が絞られる結果,曝気槽での反応時間を最大にすることができ,処理の安定化に繋げることができる。沈殿槽で滞留時間を取ることで,汚泥を無酸素雰囲気下に置くことができるので,糸状性細菌による障害を抑制できるという効果も期待できる。<BR>一方,沈殿槽からの引抜汚泥濃度が上昇し,脱水機への給泥濃度が高まるので,脱水ケーキ含水率の低減に寄与することができる。脱水機の種類によっては,動力費(電力コスト)の削減も期待できる。<BR>2) 過曝気や硝化の発生が検出できる。適正な曝気を行なうことで処理を安定化させるだけでなく,水質浄化能を落とすことなく曝気動力(電力コスト)の削減も実現できる。<BR>このような取り組みは,いずれも高度な専門知識やコンサルティング技術を要求されたが,槽内監視センサーを活用すれば,現場トライアルで実行できるものであり,貴社の設備にてお役に立てれば幸いである。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 68 (7), 749-756, 2014

    紙パルプ技術協会

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