KP工程臭気改善対策の取組み

  • 藤田 浩士
    北越紀州製紙株式会社 洋紙事業本部 新潟工場 工務部 パルプ課

書誌事項

タイトル別名
  • The Measure of a Bad Smell Improvement of Kraft Pulping Process
  • KP コウテイ シュウキ カイゼン タイサク ノ トリクミ

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抄録

北越紀州製紙新潟工場は新潟市の中心部に立地しており,周囲には公共施設や住宅街が広がっているため,環境トラブルには非常に敏感である。過去の様々な環境トラブルを受けて,平成23年8月にISO14001に基づいた環境影響防止規程を制定した。環境トラブル発生時は「環境トラブル対応チーム」を発足させ,主に発生源処置や渉外対応を行うことを体制として確立させた。また,環境影響レベルを3段階に分けて,それぞれに対応方法を定めた。<BR>臭気トラブルに対する感度を高めるために,硫化水素・アンモニア・メタノール・イソブタンの4種の臭気センサーを設置し,運用を開始している。この臭気センサーによりどの工程からの臭気が出ているか,ということまでは判断できないが,KP工程から臭気が漏洩しているか否かの判断は出来るようになった。現在の運用としては,硫化水素とアンモニアセンサーが同時に10%以上の指示値で反応し,かつ風向きが北寄りである場合をKP工程の臭気と判断し,対応している。<BR>環境影響防止規程を定め,臭気センサーを運用することで臭気トラブルに対する感度は向上し,環境トラブルは確実に減少している。<BR>本報では臭気センサーの運用方法やKP工程での環境トラブル事例,臭気対策について紹介する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 66 (10), 1093-1097, 2012

    紙パルプ技術協会

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