クラフトパルプ製造に用いる木釜蒸解技術

  • 具 延
    メッツォペーパージャパン株式会社 ファイバービジネスライン エンジニアリング部

書誌事項

タイトル別名
  • Cooking Technologies of Digesters for Producing Kraft Pulp
  • クラフトパルプ セイゾウ ニ モチイル キガマ ジョウカイ ギジュツ

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抄録

クラフトパルプ製造に用いる木釜蒸解技術は,蒸解理論の進歩に伴って進歩してきた。この中,1980年代初頭に提案されたクラフト蒸解最適化の4つの原則に基づき,MCC蒸解法,全缶等温蒸解法,BLI蒸解法などの蒸解プロセスが開発された。<BR>また,1990年代に見直された最適なクラフト蒸解条件の4つの原則に基づいて,蒸解収率,パルプ品質,漂白性及び操業安定性の向上,最終製品からの要求に合せたパルプ品質の製造に適応できる柔軟性を満たした蒸解システムであるCOMPACT COOKINGTM G1が開発された。<BR>さらに,チップ供給系設備の簡素化,浸透のより均一化を実現すべく,COMPACT COOKINGTMプロセスの第2世代であるCOMPACT COOKINGTM G2も開発された。従来の木釜蒸解技術に比べると,COMPACT COOKINGTM G2蒸解法は,蒸解収率,パルプ漂白性,及び蒸解パルプ品質を向上させ,また,異なった材種の混合材の蒸解にも適応し,エネルギー消費,環境に対する負荷を削減することができる。さらに,自己循環を必要としないのでスクリーン負荷が従来のそれより大幅に低減し,しかもシステムが簡素化されたために,より安定した操業をすることができる。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 66 (10), 1059-1063, 2012

    紙パルプ技術協会

参考文献 (2)*注記

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