ドレッグス遠心分離機の操業経験

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タイトル別名
  • Operating Experience by Decanter Centrifuge for Green Liquor Dregs Separation
  • ドレッグス エンシン ブンリキ ノ ソウギョウ ケイケン

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抄録

<p>中越パルプ工業㈱高岡工場の緑液処理工程では,以前から緑液清澄槽の過負荷による緑液清澄度の悪化,及び後段のドレッグス洗浄槽の老朽化問題が顕在していた。それらの問題を解消すべく,緑液清澄設備及びドレッグス処理用途の遠心分離機を新設し2015年12月より操業を開始した。</p><p>ドレッグス処理設備として遠心分離機を選定した理由は,主にアルカリ回収率の向上,省スペース化,オペレーターの作業軽減である。稼働当初やシャットダウン時からの立ち上げ時は,ドレッグス供給濃度が上昇するまでスクリュートルクが掛からず,脱水不良が続いたが,ボウルとスクリューの差速を調整する事で対応している。概ね安定した運転状態となった為,最適な運転条件を探る為の実機テストを実施し,その結果を以下に纏める。</p><p>1) スクリュートルクの上昇に伴い,ドレッグス固形分濃度は上昇するが分離液中のSS濃度は上昇した。分離液中のSS 濃度を許容範囲内に抑えつつ,固形分濃度を極力高く維持する操業を実施している。</p><p>2) 分離液のSS濃度を低く抑えるには,1,500G以上の遠心力が必要である。また,1,000G以下の遠心力では脱水不良と共に著しい機械の振動を引き起こした。</p><p>3) ポリマーの添加率に比例して分離液中のSS濃度は低下するが,過剰なポリマーの添加は体積増による差速の増大を引き起こし,結果として脱水の悪化を招いた。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 71 (1), 56-60, 2017

    紙パルプ技術協会

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