連続蒸解装置の発展の歴史とアンドリッツの最新技術

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タイトル別名
  • History of Continuous Cooking Technology and State-of-the-Art Development by Andritz
  • レンゾク ジョウカイ ソウチ ノ ハッテン ノ レキシ ト アンド リッツ ノ サイシン ギジュツ

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抄録

<p>今日主流となっているKPパルプ製造用の連続蒸解装置(連釜)は70年の開発の歴史を有する。1940年代,スウェーデンKamyr ABのJohan Richterにより原料チップを安定して連続的に高圧の反応槽に送り込む高圧フィーダー技術が発明され,バッチ釜方式に代わる連釜技術の歴史が始まった。商業用1号機は,日産50トンの規模であったが,現在は,5,000T/D以上のパルプ生産,原料供給としては10,000T/Dの大型連釜が稼働している。70年の間,KP蒸解プロセスに様々な改良開発が,また,改良プロセスの操業を可能にする数多くの機器,装置開発が行われてきた。</p><p>クラフトパルプ製造プロセスは,理想的な相互プロセスで,木材から繊維分を分離し,溶解した有機分と使用した薬液は回収し,グリーンエネルギーとし,使用済み薬液は再生・リサイクルする。原料として木材を用いる紙パ産業は,今後の技術開発により化石燃料を全く必要としない環境,地球にやさしいバイオマスプロセス産業として発展して行く可能性がある。既に連釜技術は溶解パルプ製造用として応用され,実用化された。溶解パルプは,様々な用途に用いられ,化石燃料由来の素材を減ずることができる。2017年,北欧において,化石燃料を全く用いないBioproduct millと称される先進的な製紙工場が稼働する。アンドリッツは,21世紀の今日,蒸解プロセスを単一のものとして捉えず,KPプロセスを総合的に融合・最適化バイオプロセスとして開発して行く。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 70 (8), 772-784, 2016

    紙パルプ技術協会

参考文献 (1)*注記

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