カナダ・アルバータ州におけるカーボンクレジット事例

  • 野口 和義
    大昭和丸紅インターナショナル ピースリバー工場
  • 山本 拓也
    大昭和丸紅インターナショナル ピースリバー工場

書誌事項

タイトル別名
  • Carbon Credit Program in Alberta, Canada
  • 海外駐在員レポート(5)カナダ・アルバータ州におけるカーボンクレジット事例 : ポータブルチッピングによるカーボンクレジット受諾
  • カイガイ チュウザイイン レポート(5)カナダ ・ アルバータシュウ ニ オケル カーボンクレジット ジレイ : ポータブルチッピング ニ ヨル カーボンクレジット ジュダク
  • -Carbon Offset Credit by Portable Chipping-
  • ―ポータブルチッピングによるカーボンクレジット受諾―

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抄録

カナダ・アルバータ州では,従来型の原油生産と比べ温暖化ガス排出が高いとされるオイルサンドからの原油生産開発が進んでいる。一方アルバータ州政府は,温暖化抑制に向け様々な取組により再生可能グリーンエネルギーの促進対策を図っており,そのひとつに北米で初めてとなるカーボンクレジットシステムがある。<BR>州政府は,一定規模の事業所に対し2007年に2003年~2005年の年間CO2発生ベースから12%削減を義務付け,自助努力で削減出来ない事業所は,12%を超えて削減した事業所から規制値を超えたCO2分のクレジットを購入するか,州政府へCO2トン当たり15ドル支払うこととした。また,州政府の再生可能グリーンエネルギーに対する考え方は,太陽光,地熱,風力以外に,植林及び育成管理等を実施することを条件に農林業からのバイオマス等も認可している。<BR>一方,ピースリバー工場は2004年にコスト削減対策としてポータブルチッピングを導入した。従来方式のチップ輸送では,原木の先端部はトラックにて運搬する為の長さ調節等の理由で切られ,それらは山火事の原因になる等の理由により州政府から焼却処分を義務付けられている。ポータブルチッピング導入により,従来焼却されていた木の先端部分がチップとして有効利用出来ることがCO2削減効果として認められ,カーボンオフセットクレジットとして認可された。<BR>過去に紙パルプ産業にあった森林伐採という負のイメージから,森林をきっちり管理することから言える再生可能エネルギーによる温暖化ガス抑制というグリーンなイメージへの転換をカナダでは出来ていると言える。今後は省エネやバイオ燃料を使用した売電量アップ等に取り組み,温暖化ガス抑制に向けてさらに貢献していきたいと考えている。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 67 (5), 524-528, 2013

    紙パルプ技術協会

参考文献 (8)*注記

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