―フェルト用洗浄装置―シャワーロール

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タイトル別名
  • Felt Cleaning System“SHOWER ROLL”
  • フェルトヨウ センジョウ ソウチ シャワーロール

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説明

近年,製紙業界では古紙リサイクルの上昇による原料の低廉化,薬品添加量の増大,回収水使用率の上昇,抄紙機の高速化などにより抄紙用具としてフェルトやキャンバスの汚れが益々増える傾向にある。この汚れをいかに洗浄するかで抄造効率に大きく影響する事になる。<br>フェルト洗浄に関しては,洗浄に用いられる洗浄用薬品や洗剤の使用が発泡やサイズ度低下や排水処理費の発生に繋がる。<br>従来の理想的な洗浄方法とは,洗浄シャワー高圧または中圧シャワー,ウエッティングシャワー,及びサクションボックスまたはスクイズロールで構成されている。しかし,高圧または中圧シャワーでは,フェルト表面が毛羽立ちを起こし,摩耗が促進されてしまい期待する洗浄効果が得られない。また,スクイズロールで脱水される場合は,厚みの減少や目詰りにより通気度の低下となる。このように従来の洗浄方法では,フェルトコンディションの維持やフェルトライフの延長は非常に難しい問題である。<br>従来のこの様な洗浄では,フェルトが潰れて脱毛が多いため,フェルトがいつも硬くなり,ソフトな紙を抄出すことが出来なくなる。弊社では,これらの問題に対応できる技術と従来の洗浄方法とは異なるフェルト洗浄装置として,シャワーロールを開発した。<br>シャワーロールの「揉む」「叩く」「掻き落とす」と言う揉み洗い作用で,フェルトをソフトに洗浄する。フェルトの脱毛を防ぎ,洗浄薬品や洗浄水の使用量を減らして,「いつもソフトな用具で操業する」これがシャワーロールのモットーである。本稿では,シャワーロールの機械の特徴と操業実績を御紹介する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 70 (2), 111-115, 2016

    紙パルプ技術協会

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