工場におけるにおいの基礎と防臭,消臭対策

書誌事項

タイトル別名
  • Odor Measures, Deodorization and Anti-Odor Protection in the Factory
  • コウジョウ ニ オケル ニオイ ノ キソ ト ボウシュウ,ショウシュウ タイサク

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説明

日本における「におい,悪臭」を取り巻く環境は,日本経済の高度成長とともに変遷し,それに伴い苦情件数も増加傾向の一途を辿ってきた。におい,特に悪臭は感覚公害の中でも特に対応の難しい公害であると言える。この「におい,悪臭」に関する法律として悪臭防止法が昭和46年に制定され,時代とともに変化してきた。<BR>現在,日本においては特定悪臭物質規制から臭気濃度1)規制,そしてより人間の感覚に近いと言われる臭気指数規制へとシフトしてきた。住民の生活環境を守るという観点からは,法整備が十分になされてきたと考えて良い。<BR>一方で,事業者側の観点では,悪臭対策は永遠のテーマである。生産性も無く,ランニングコストの掛かるマイナス以外の何ものでも無いのである。コストが掛からないにこしたことは無い。工場において「におい,悪臭」が発生する場合は,生産量,排気ガス量と比例している。<BR>悪臭対策において脱臭装置を設置する以外にもいくつか方法がある。本稿では,においの特性について理解をしながら防臭,消臭対策について紹介する。<BR>1)臭気濃度:対象ガスを無臭になるまで希釈をした際の希釈倍率であり,においの強さを表現する指標の一つ。<BR>結論として,工場における臭気対策において,においの見える化は必須項目となる。においを数値化し,視覚で確認可能なように周辺への影響度合いを視覚化し,目標を設定する。法令を順守していても臭気苦情が出てしまうケースも散見される。これは一度気になってしまったにおいは少し感じただけでも気になってしまうという,人間の危険予知に関係している。<BR>悪臭防止法で制定されている規制値を超過している事業所は多く存在する。一方で,苦情が発生しておらず,行政指導が入っていない事業所は必要最低限の対策で済んでいるケースもある。最悪の状態になる前に,防臭対策,臭気対策を検討することを推奨する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 68 (12), 1354-1357, 2014

    紙パルプ技術協会

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