B/M計の技術と展望

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タイトル別名
  • Technology and Vision of QCS
  • B/Mケイ ノ ギジュツ ト テンボウ

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抄録

<p>「B/M計」は,弊社が国産品として1969年に開発・販売開始した。以来,半世紀以上にわたって非常に多くの抄紙機に導入され,現在では抄造現場においてなくてはならない計装システムとなっている。B/M計の誕生により,流れ方向と幅方向の両方の品質をオンラインで自動監視できるようになった。そして今日当たり前に見られるような制御の本格的な導入もB/M計登場以降に進んだことである。オンラインでの品質の自動監視と自動制御が,これまでB/M計の果たしてきた基本的な役割である。</p><p>オンラインで測定するにあたり,測定対象が高速で動いていることや,過酷な動作環境であること等によりいくつかの技術的課題を解決する必要がある。例えばLEDカラー計では,主要なコンポーネントの温度制御,パスライン位置を検出する独自技術,蛍光を含む測定と含まない測定の同点測定を可能にするLED点灯制御などの技術が用いられている。</p><p>B/M計はセンサが紙面を斜めに走査するため,プロファイルデータの扱いにも注意が必要である。生プロファイルのデータを見ただけでは,見えている山谷が流れ方向変動を示すのか幅方向の変動を示すのか区別できない。これらの成分を分離するため,平均処理や平滑処理が一般に行われている。</p><p>これらのオンライン測定における技術によって,B/M計は紙の品質改善と生産性の向上を支えてきた。今後は,ビッグデータ解析や新素材などにおいて更なる展開をしていくことになるだろう。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 70 (10), 1017-1020, 2016

    紙パルプ技術協会

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