変性セルロースナノファイバー強化樹脂材料の開発

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タイトル別名
  • Development of Modified Cellulose Nanofiber Reinforced Resin Material
  • ヘンセイ セルロースナノファイバー キョウカ ジュシ ザイリョウ ノ カイハツ

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説明

一般的に,ポリエチレン(PE)などの結晶性高分子をせん断場におくと,PEの伸び切り鎖がシシとして伸び,その周りにラメラが形成されているシシケバブ構造を取ることが知られており,この特性を生かした高強度PE繊維が市販されている。本報では変性セルロースナノファイバー(CNF)強化PEの射出成形条件と,得られた試験片の力学物性及び樹脂の配向との関係について検討した結果を報告する。<br>変性CNF強化PEを様々な条件で射出成形した結果,金型内への充填速度を低くし,かつシリンダ温度を低温にすることで,得られた試験片の引張強度が向上し,試験片内部でPEのリターデーション量が増加し結晶がより配向することがわかった。従来の研究では,せん断積(せん断速度とせん断時間との積)を一定にした場合,強いせん断速度を短時間加えた方が弱いせん断速度を長時間加えるよりも結晶構造が成長するとの報告があるが,本研究においては,変性CNF強化PEは低せん断速度のほうが結晶配向が発達した結果を示した。<br>現時点ではこれらのメカニズムは不明であるが,今後明らかにすることで,更なるCNF強化樹脂材料の高性能化に繋げてゆきたい。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 69 (11), 1181-1183, 2015

    紙パルプ技術協会

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