洋紙工場への操業管理システム導入事例

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タイトル別名
  • A Case Study on the Implementation of the Manufacturing Execution System (MES) for Paper Mills
  • ヨウシ コウジョウ エ ノ ソウギョウ カンリ システム ドウニュウ ジレイ

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抄録

製紙業界を取り巻く環境の変化は目まぐるしく,ビジネス環境に則したスピード感のある革新対応が急務である。<BR>製紙業界における課題としては,「収益基盤の強化」「収益性ある重点分野への集中」「海外展開の加速・拡大」などが挙げられる。<BR>これらの課題解決の一つの手段として,計画的且つ効率的なモノづくりを実現する「洋紙工場向けSCM型操業管理システム」を富士通が開発した。<BR>富士通が取り組んだ操業管理システム導入の背景,コンセプト,システムの概要などを紹介する。<BR>本システムの導入で得られた効果としては,大きく3つの効果が挙げられる。<BR>・1点目の効果として,安定した納期遵守率が挙げられる。<BR>導入直後は当初納期の前後数日に分散する状況が続くも,工場での操業管理システムの操作習熟度の向上および,生産調整での計画立案の習熟度が向上するに従って,当初納期通りの製品提供が徐々に可能となり,現在では安定した納期遵守率を維持している。<BR>・2点目の効果として,飛び込み注文への迅速な対応を可能とした。<BR>飛び込み注文が入ると,中日程/小日程の計画の見直しは非常に複雑で困難であるが,工場と本社間でのリアルタイムな進捗の情報共有は両者間のやり取りを減少させ,共有された在庫情報で生産計画の再作成や追加作成を可能にした。<BR>・3点目の効果として,共通化がもたらす効果がある。<BR>システムを共通化したことによって,工場や生産ライン毎の稼動実績や操業効率などの「操業標準データ」の比較が容易になった。<BR>これによって,生産性の向上に向けた操業の見直し等の施策を講じることが可能となった。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 67 (10), 1101-1106, 2013

    紙パルプ技術協会

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