ショートスパン法による段ボール原紙圧縮強度の評価

  • 平野 大信
    王子ホールディングス株式会社 紙パルプ革新センター
  • 小林 孝男
    王子ホールディングス株式会社 紙パルプ革新センター

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Other Title
  • ショートスパンホウ ニ ヨル ダンボール ゲンシ アッシュク キョウド ノ ヒョウカ

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Abstract

<p>年々,段ボール原紙の薄物化が進んでいる中,坪量減少による強度低下を補うために,紙力剤を増添する等の対応を行うのが一般的である。しかしながら,最近の薄物原紙においては,紙力剤を添加しても,段ボール原紙の重要特性の1つである「リングクラッシュ圧縮強度」が十分に向上しない事例が散見される。またこれに伴い,原紙の圧縮強度から箱圧縮強度を推定することが困難になってきている。そこで,特に薄物においてはリングクラッシュ圧縮強度よりも優位であることが知られている「ショートスパン圧縮強度」の妥当性について再考した。</p><p>まず,リングクラッシュ圧縮試験のFEMシミュレーションにより,圧縮強度に対する紙厚の影響について調査を行った結果,紙厚が小さくなるほど圧縮強度も低下する傾向が認められ,リングクラッシュ法は基本的に座屈の影響を受ける測定法であることが確認された。また,紙厚が特に小さい場合,変形エネルギーの低い座屈モードに変化するため,圧縮強度の低下が顕著であることがわかった。</p><p>次に,通常中芯および軽量中芯をそれぞれ使用した箱の圧縮強度と原紙の圧縮強度の相関を調査したところ,リングクラッシュ圧縮強度よりも,ショートスパン圧縮強度との相関が高く,原紙の圧縮強度から箱圧縮強度を予測する場合,ショートスパン圧縮強度のほうが正確である可能性が示唆された。</p><p>以上より,段ボール原紙の圧縮強度はショートスパン法により評価することが妥当と考えられる。</p>

Journal

  • JAPAN TAPPI JOURNAL

    JAPAN TAPPI JOURNAL 70 (8), 842-846, 2016

    JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY

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