灰分濃度モニタリング装置を活用したウェットエンドの最適化

書誌事項

タイトル別名
  • Optimization of Paper Machine Wetend by Optical Consistency Sensor Which Can Measure Ash Consistency
  • 灰分濃度モニタリング装置を活用したウェツトエンドの最適化 : 品質管理はドライエンドからウェットエンドヘ
  • カイブン ノウド モニタリング ソウチ オ カツヨウ シタ ウェツトエンド ノ サイテキ カ : ヒンシツ カンリ ワ ドライエンド カラ ウェットエンドヘ
  • -Switchover of Quality Control from Dryend to Wetend-
  • ―品質管理はドライエンドからウェットエンドへ―

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抄録

灰分は非常に安価な原料でありコストダウンや品質改善に寄与する一方,高灰分紙の操業には様々な困難が伴うことが知られている。最近の傾向として灰分濃度のモニタリングやメンテナンス費用の削減といったニーズの高まりから,回転式濃度計やブレード式濃度計から光学式濃度計への転換が急激に進んでいる。<BR>ワンパスリテンションは抄紙が抱える操業や品質の問題と強い相関があることは既に知られているが,特に上質・新聞・白板マシンにおいてワンパスリテンションを支配しているのは灰分リテンションである。上質・新聞・白板マシンにおけるウェットエンド最適化の方向性として,弊社から光学式濃度計を活用した『白水灰分濃度の最適化』を提案する。<BR>BM計からのフィードバックで制御してきた坪量や灰分は,高精度で灰分濃度も測定できる光学式濃度計の登場によってウェットエンドでのコントロールが可能となり,坪量・灰分の変動抑制や工程の安定化,銘柄替え時間の短縮・損紙の減少に大きく寄与している。<BR>また光学式濃度計は回転式濃度計やブレード式濃度計のように定期的なメンテナンス・消耗品の交換が不要であり,基本的にはメンテナンスフリーであるため,メンテナンス費用の削減にも貢献している。昨今コスト削減に取り組む工場では,メンテナンス費用の削減にスポットを当てて光学式濃度計を積極的に導入している例も増えてきている。<BR>本稿では弊社光学式濃度計を活用したウェットエンドの最適化について紹介する。弊社の提案する灰分濃度のモニタリングを活用したコストダウンの金額的メリットは生産量400~500t/日スケールのマシンにおいて100百万円/年を優に超えることから,コスト削減がより一層厳しく注目される中で,ウェットエンドの最適化は回収期間のきわめて短い効果的な投資と言える。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 67 (5), 503-507, 2013

    紙パルプ技術協会

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