インクジェット紙の高速塗工カラーの検討

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タイトル別名
  • Formulations for High Speed Coated Inkjet Paper
  • インクジェットシ ノ コウソクトコウ カラー ノ ケントウ

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抄録

インクジェット紙を雑誌分野向けに大量生産するにおいて重要な課題のひとつは,従来のオフセット印刷用紙の見た目や風合いといった品種によって多種多様な特性を,如何に低コストで開発できるかである。<BR>ミネラル成分では,シリカや表面処理された無機顔料が一般的に使用され,適切な空隙構造が形成される。それらの空孔が十分な毛細管現象をもたらし,インクの液体成分を浸透させると同時に大きな空孔がインクを定着させる。これらのタイプの無機顔料は,従来の塗工顔料に比べて高価であり,塗工濃度が低く高速塗工には不向きである。また既存のインクジェット紙は,用紙の表面近くでインクを定着させるため,カチオン系の塗工カラーである。通常,抄紙工程はアニオン系であるため,このことが問題を起こす原因となることから,生産の切り換え時の汚染の発生に細心の注意が必要とされる。<BR>イメリスは製紙メーカーを支援するため,大量生産を成しうるインクジェット紙の塗工カラー配合の研究に取り組んでいる。我々の理念は,製紙メーカーの負担を軽減させることであり,塗工カラーの高濃度化およびアニオン化に焦点を当て,既存の幅広い製品ポートフォリオから顔料を選択することである。その為には,このコンセプトに合致した総合的な塗工カラー配合の理解に基づく開発が必要と考える。<BR>本稿では,インクジェット紙の市況規模および要求される技術について記述する。さらに,我々が開発した技術による研究結果を,既存の印刷用紙との比較評価により報告する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 67 (5), 494-498, 2013

    紙パルプ技術協会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (4)*注記

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