セルロースナノファイバーの実用化に向けた検討

  • 河崎 雅行
    日本製紙株式会社 研究開発本部 CNF事業推進室

書誌事項

タイトル別名
  • Efforts for the Practical Use of Cellulose Nanofibers
  • セルロースナノファイバー ノ ジツヨウカ ニ ムケタ ケントウ
公開日
2015
DOI
  • 10.2524/jtappij.69.54
公開者
紙パルプ技術協会

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説明

セルロースナノファイバー(CNF)の製造および用途開発に関する実用化検討が世界的に行われている。<BR>CNFはその大きな比表面積により触媒や吸着剤としての利用,熱膨張が小さく,軽量・高強度であることを活かして樹脂や塗料などに配合することにより高機能化が図れるなど,これまでにない新しいバイオマス素材として実用化が期待されている。当社のCNFの製造方法は,TEMPOと呼ばれる有機触媒を用いてパルプを化学変性することを特徴としており,これにより低い解繊エネルギーでパルプをナノレベルで均一に微細化することが可能である。当社は実用化に向けて岩国工場に実証生産設備に設置したが(平成25年10月),本設備は年間生産能力30トン以上で化学処理によるCNFを一貫生産する国内初の本格設備である。<BR>TEMPO酸化CNFの特徴として,<BR>1)表面に高密度のカルボキシル基を有する<BR>2)幅が3~4nmで長さ数百nmから数μmと高アスペクト比である<BR>3)高い結晶化度(75~95%)を有する<BR>などが挙げられる。<BR>これを用いて作製した自立フィルムおよび塗工フィルムは,(1)高い光学透明性,(2)石英ガラス並みに低い線熱膨張率,(3)高いガスバリア性,(4)高結晶性ナノファイバー集合体による高強度・高弾性率などの特長を有している。これらの特長を利用して様々な用途開発を行っており,日用品,化粧品,塗料など流動性を有する製品への添加剤としての利用,紙やフィルムに塗工または内添して複合化することでガスバリア性や耐熱性などシートの機能性の向上を目的とした利用,樹脂,ゴム,塗料等と複合化することで強度や耐熱性の向上を目的とした利用などである。<BR>産業用素材として早期に実用化するためには,CNFの量産化技術の開発と同時にCNFを利用するユーザーとの連携をさらに強化して用途開発を推進する必要がある。また,CNFの品質規格や安全性の評価については企業単独での対応が困難な面もあり,これに対しては大学や公的研究機関との連携が不可欠である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 69 (1), 54-57, 2015

    紙パルプ技術協会

参考文献 (2)*注記

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