ナイロン6プラスチックのガラス繊維混入による結晶構造の変化

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タイトル別名
  • ナイロン 6 プラスチック ノ ガラス センイ コンニュウ ニ ヨル ケッショウ コウゾウ ノ ヘンカ

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説明

ナイロン6プラスチックおよびナイロン6に短かいガラス繊維を分散した複合材の母材の成形時の結晶構造の変化をX線広角回折によって検討した。ナイロン6はペレット状態では (200) および (002) 面からの強い反射を示すα形の構造であるが, 射出成形によって (110) 面からの反射によるγ形を主成分とした構造に変態し, 成形によって分子が解きほぐされていることがわかった。しかし繊維の混入によって (110) 面の半価幅は増加し, 格子定数は少し減少する傾向がみられた。この傾向は繊維重量混入率5%以下の低混入率側で強く現われる。成形の際冷却が早く進む場所, 溶融ポリマーの流動が激しい部分, 繊維混入率が高い試料ほどγ形の傾向を強く示す。また成形板の厚さ方向 (ほぼb軸方向) に繊維混入率に関係した弱いb軸配向が生じていることが熱処理試料の (200) および (002) 面の反射強度の相対的な変化からわかった。これは繊維界面で生じるせん断ずり応力が関係するものと思われる。

収録刊行物

  • 高分子化學

    高分子化學 30 (342), 591-598, 1973

    公益社団法人 高分子学会

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