シクロオレフィン類存在下における液体亜硫酸中でのスチレンの重合

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タイトル別名
  • シクロオレフィンルイ ソンザイカ ニ オケル エキタイ アリュウサン チュウ デ ノ スチレン ノ ジュウゴウ

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説明

微量の1, 3-シクロヘキサジエン (1, 3-CHD), 1, 3-シクロオクタジエン (1, 3-COD), およびシクロヘキセン (CH) の存在下で, 液体亜硫酸中でのスチレン (St) の重合について検討した。<BR>1, 3-CHD存在下では酸素の存在しない場合においてもStのカチオン重合が起こり, 同時に少量のポリスルホン (1, 3-CHD-St-SO2コポリスルホン) (PSul) も生成した。ポリスチレン (PSt) の生成速度は1, 3-CHD添加量の約1.0次に比例し, その生成の全活性化エネルギーは約8.5kcal/molであった。また酸素はPStの生成を促進し, PSulの生成を抑制する効果を示した。<BR>一方1, 3-CODおよびCH存在下では酸素ふんい気下で重合を行なった場合にのみ, PStの生成が認められ, これらの場合にはPStの生成に対して見かけ上誘導期が見られた, PStの生成に対する開始反応の活性化エネルギーはそれぞれ約9.2kcal/molおよび10.5kcal/molであった。<BR>これらの結果と既報のシクロオレフィン類の液体亜硫酸中での重合の結果から, シクロオレフィン類とSO2との間での電荷移動によって生成したシクロオレフィンのラジカルカチオンとスチレンとの電子移動, さらにスチリルラジカルカチオンからカチオン重合開始種が生成し, スチレンのカチオン重合が起こるものと推定した。

収録刊行物

  • 高分子化學

    高分子化學 30 (343), 688-693, 1973

    公益社団法人 高分子学会

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