ポリ塩化ビニルの熱分解における酸アミドの作用と効果

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  • ポリ エンカビニル ノ ネツ ブンカイ ニ オケル サン アミド ノ サヨウ ト コウカ

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説明

ポリ塩化ビニル (PVC) の熱分解を粉末, 溶液状態 (静的熱分解), およびプラストグラフによりせん断力下 (動的熱分解) で行ない, 高級脂肪酸アミドの作用と効果を, 分解体の紫外・可視吸収スペクトルを測定することによって検討した。<BR>酸アミドは静的熱分解を促進する。粉末系およびフタル酸ジ-2-エチルヘキシル溶液系におけるこのような熱分解の促進は, 酸アミドの求核性に基づくものであり, とくにシクロヘキサノール溶液系においては酸アミドのプロトン付加体の親電子性および生成した塩化アンモニウムやジアミドのプロトン付加体の親電子性にも基づくものと思われる。<BR>金属カルボン酸塩の共存する場合, ステアリン酸アミドは, PVC粉末の熱分解に対し促進効果を示すが, 可塑剤の存在する系においては抑制効果を示すかあるいは無効果である。<BR>プラストグラフによる動的熱分解において, ステアリン酸アミドを添加すると, 混練抵抗は小さくなり, 可塑剤を含むPVCの場合にはその熱分解はほとんど抑制されないが, 可塑剤を含まないPVCの場合には, 摩擦による発熱が抑えられることによってかなり大きく熱分解が抑制される。

収録刊行物

  • 高分子化學

    高分子化學 30 (343), 673-680, 1973

    公益社団法人 高分子学会

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