三成分線状縮合体の分子量分布の統計的考察

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タイトル別名
  • 3セイブンセンジョウ シュクゴウタイ ノ ブンシリョウ ブンプ ノ トウケイテキ コウサツ
  • 二塩基酸とジアミン及びアミノ酸との混合体の共縮合体について

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抄録

線状縮合体の分子量分布 (molecular size distribution) についてFloryは確率的考察に基いて分布函数を誘導している。しかしながら, 例えばアデイピン酸とヘキサメチレンジアミン及びε-アミノカルボン酸の3成分よりなる共縮合体の如く, 前二者が縮合しナイロンの構造を与えているところに第三者のアミノ酸自身が縮合したものが1個のポリマー分子内に各所介入していると考えられるような共縮合体についてはまだ報告されていない。著者はかかる共縮合体について統計的方法に基いて新しい分布函数を誘導した。3成分モノマーそれぞれn, e, s個よりn+e+s-merの分子1個が生成する仕方の数ω を求め, 最確率分布を常法により導くと分布函数が算出せられる。ω の求め方はBose-Einsteinの統計法における方法と類似する。得られた分布函数は反応度, モノマー混合比及び重合度 (n+e+s) の他にn, e, sの個々の値により変化するところの-(n+e+s)!/(n+e)!s!なる階乗項を含むが, もし分子全体の重合度のみ考えるときは有限個の総和をとったものになる。

収録刊行物

  • 高分子化學

    高分子化學 9 (88), 261-267, 1952

    公益社団法人 高分子学会

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