ゴム中におけるシリカの化学反応性

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タイトル別名
  • Reactivity of Silica in a Rubber Matrix
  • ゴムチュウ ニ オケル シリカ ノ カガク ハンノウセイ

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抄録

ゴム中におけるシリカの化学反応性ついて検討を行った.溶液混合法で得た湿式シリカ(AQ)充填ポリイソプレン(PIR)を大気中 100℃ で熱処理を行った試料について ESR 測定を行った結果,ポリエニルラジカルに基づく吸収が認められ,その吸収強度はシリカのシラノール基数とともに増大した.FT IR の測定結果から,このラジカル発生は PIR の熱分解と酸化劣化によるものであることがわかった.同種のラジカルの発生は減圧下で熱処理を行った試料においても確認されたことから,シリカが PIR の熱分解と酸化反応を促進していることが示された.AQ 存在下におけるイソブチルビニルエーテルのカチオン重合の進行が 13C NMR および FT IR 測定結果より確認され,シリカが酸触媒能を有することがわかった.しかし酸触媒の作用はイオン的であるのに対し,分子鎖の切断と再結合はラジカル反応であり,シリカが PIR の熱分解や酸化反応を促進する直接的な理由は現在のところ不明である.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 64 (11), 779-785, 2007

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (43)*注記

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