オレフィンメタセシスによる新しい複核金属錯体の合成とオレフィン重合

書誌事項

タイトル別名
  • Synthesis of Novel Dinuclear Complexes by Olefin Metathesis and Their Use in Olefin Polymerization
  • オレフィンメタセシス ニ ヨル アタラシイ フクカク キンゾク サクタイ ノ ゴウセイ ト オレフィン ジュウゴウ

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抄録

オレフィン重合反応において複核金属錯体触媒には,単核金属錯体触媒とは異なる特性が期待される.複核金属錯体の重合触媒の例は少ない上,その大部分は同じ金属中心を複数有するものであった.本研究では,オレフィンメタセシスを利用して二つの金属錯体を結合する新しい方法により種々の複核金属錯体を設計し,それを用いたオレフィンの重合について検討を行った.アルケニル基を有するジルコノセンのメタセシスにより,さまざまな長さの架橋鎖を有する複核ジルコノセン錯体を合成した.単核金属錯体に比べて複核金属錯体はより高い活性を示し,さらに架橋鎖がより短い複核金属錯体のほうが活性が高いことが明らかとなった.ジルコノセン錯体と後期遷移金属錯体とのクロスメタセシスにより得られる異種複核金属錯体を用いたエチレンの重合では,用いる金属の種類に応じて異なる分岐構造をもつポリエチレンが得られること,長鎖分岐を有するポリエチレン生成が認められることを見いだした.後期遷移金属上で生成したエチレンオリゴマーが,前期遷移金属上でエチレンとともに共重合することで,そのような分岐ポリエチレンが生成したと考えられる.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 68 (7), 427-435, 2011

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (80)*注記

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