トロメタモールを含有した擬似体液におけるリン脂質ベシクルへのリン酸カルシウムの析出と膜形成

  • 山口 正
    長岡技術科学大学大学院工学研究科材料開発工学専攻
  • 山田 伊織
    長岡技術科学大学工学部材料開発工学課程
  • 多賀谷 基博
    長岡技術科学大学大学院工学研究科物質材料工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Film Formation by Precipitating Calcium Phosphate on Phospholipid Vesicle in Simulated Body Fluid Containing Trometamol
  • トロメタモール オ ガンユウ シタ ギジ タイエキ ニ オケル リン シシツ ベシクル エ ノ リンサン カルシウム ノ セキシュツ ト マク ケイセイ

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抄録

生体鉱化作用を解明するためには,体液中でのリン酸カルシウム(CP)形成挙動を解明する研究が重要である.本研究では,リン脂質ベシクル(PV)を反応場とし,トロメタモールを含む疑似体液から組織培養用ポリスチレン(TCPS)へCP膜を形成した.PV粒子をCP被覆してから膜形成したCP/PV-Bef膜,および,PV粒子膜形成後にCP析出したCP/PV-Aft膜を創製した.膜は透明であり,結晶相はリン酸八カルシウム(OCP)と水酸アパタイト(HAp)の混相であった.CP/PV-Bef膜は結晶性が高くµmスケールの板状粒子でありTCPSのCP被覆は不完全であった.CP/PV-Aft膜は結晶性が低くサブミクロンスケールの球状粒子であり全面がCP被覆された.CP/PV-Aft膜は滅菌処理に伴って,HApおよびACPへ結晶相が変化した.膜の安定性より細胞培養基材としての応用が期待される.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 75 (1), 32-41, 2018

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (27)*注記

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