ウマノアシガタの高輝度反射と紫外線反射の起源

書誌事項

タイトル別名
  • The Origin of Gloss and Ultra-Violet Reflection of the Petal of <i>Ranunculus Japonicus</i>
  • ウマノアシガタ ノ コウキド ハンシャ ト シガイセン ハンシャ ノ キゲン
  • The Origin of Gloss and Ultra-Violet Reflection of the Petal of Ranunculus Japonicus

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抄録

野の花は,その花粉を媒介する昆虫や鳥との関係が深く,それらの動物の視覚弁別機能の範囲に適応するように進化してきた.ウマノアシガタは艶やかな光沢をもつ黄色い花弁が特徴だ.花弁の表側は紫外線を反射するが,その中心部や花弁の裏側は紫外線反射がなく光沢も少ない.花弁表面側は,最表面薄膜とカロテノイド層に続くデンプン顆粒層から構成されていた.強い光沢は花弁の最表面にある薄膜が関連していることが強く示唆され,ヒトにとって黄色く見える理由はカロテノイド層の吸収によること,紫外線反射は花弁の表面に含まれるデンプン顆粒層が担っていることがわかった.また,デンプン顆粒が高密集積した円錐構造のため,多方向に光を反射していることもわかった.この反射の仕組みは,バイオミメティックス材料としてのヒントを与える可能性が高い.生物がもつ光材料を規範とした材料開発を目指す事で,より効率の良い機能性材料設計を行うことができるだろう.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 70 (5), 221-226, 2013

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (16)*注記

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