Phillips触媒を用いたエチレン重合における分子量分布および分岐構造の制御因子

  • 外崎 究
    北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科
  • 谷池 俊明
    北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科
  • 寺野 稔
    北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Elucidation of Control Factors of Molecular Weight Distribution and Branches in Ethylene Polymerization Using Phillips Catalysts

抄録

Phillips 触媒によって合成されるポリエチレン(PE)の特徴的な物性を生み出す分岐構造と分子量分布が生じる要因を解明することを目的として,実験的および理論的な検討を行った.<br>   重合反応条件および触媒構造の双方の観点より分岐生成量の制御因子について検討したところ,生成する PE のメチルおよびブチル以上の分岐構造が,生成する PE の収量に依存することが明らかになり,さらに in situ で生成するコモノマーの挿入が重要であることが示された.とくに,メチル分岐生成に関連するプロピレンの生成には,クロム種の多核構造が重要であることがわかった.一方,一様な核構造を有するモデル触媒上においても広い分子量分布をもつ PE を生成し,分子量分布に対するクロム種の配位環境の不均一性の寄与が示唆された.このような担体表面の複雑さ故に生じるクロム種の配位環境の分布が重合特性に与える影響について第一原理計算による検証を行ったところ,活性クロム種における配位子の存在およびその位置が,生成する PE の分子量に大きく影響を与え,それにより広い分布を生じることが明らかになった.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 68 (5), 326-331, 2011

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (13)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681502136320
  • NII論文ID
    130004489326
  • DOI
    10.1295/koron.68.326
  • ISSN
    18815685
    03862186
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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