ニッケルチアポルフィリン錯体による二酸化炭素–エポキシドの交互共重合

書誌事項

タイトル別名
  • Alternating Copolymerization of Carbon Dioxide and Epoxide by a Nickel Thiaporphyrin Complex
  • ニッケルチアポルフィリン サクタイ ニ ヨル ニサンカ タンソ : エポキシド ノ コウゴ キョウ ジュウゴウ

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抄録

二酸化炭素を有機合成反応の原料に,有用な有機物を生み出す試みは,環境問題の表面化ともあいまってその重要性を増している.二酸化炭素の有効利用技術のひとつに,エポキシドとの交互共重合によるポリカルボナートの合成がある.この反応は,交互共重合により生成するポリカルボナートの他にも,ポリエーテルや環状カルボナートを副生しやすいことから,生成物の選択性に優れる金属錯体触媒の探索が求められている.本報では,これまでに報告例のないニッケルチアポルフィリン錯体を触媒とする二酸化炭素とシクロヘキセンオキシドとの共重合を行った.その結果,THFを溶媒として用い,50 atmの二酸化炭素加圧下,40°Cにおいて最も高い選択性で分子量分布の狭い交互共重合体を生成した.また,トリフェニルホスフィンを共触媒に用いると生成物の選択性は向上し,完全交互共重合体を与えた.これらのことから,ニッケルチアポルフィリン錯体が二酸化炭素とエポキシドとの交互共重合の優れた触媒であることが明らかとなった.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 70 (10), 544-549, 2013

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (31)*注記

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