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- 樋口 昌芳
- (独)物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 (独)科学技術振興機構さきがけ「ナノ製造技術の探索と展開」領域
書誌事項
- タイトル別名
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- Control of Structures and Properties of Organic-Metallic Hybrid Polymers
- ユウキ キンゾク ハイブリッド ポリマー ニ オケル コウゾウ セイギョ ト デンシ ヒカリ キノウ セイギョ
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抄録
三座配位子であるターピリジンを二つ有する有機分子(有機モジュール)と,鉄やルテニウムといった六配位の金属イオンを錯形成させることによって,有機モジュールと金属イオンが主鎖に沿って交互に結合した構造を有するポリマー(有機/金属ハイブリッドポリマー)を合成した.このハイブリッドポリマーにおいて,有機モジュールと金属イオンは 1 : 1 で錯形成し,その錯形成定数(log K)は 9 以上と見積もられた.この有機/金属ハイブリッドポリマーに分子修飾を行うことで,次のようにポリマー構造や電子・光物性を制御できることを見出した.主な知見は以下の通り.(1)有機モジュールにおいて,ターピリジン部位の末端ピリジンの 6 位の炭素にキラルなテトラエチレングリコール鎖を導入すると,ハイブリッドポリマーの骨格に円二色性(CD)が誘起された.これはハイブリッドポリマーにおけるヘリカル構造の誘起に基づくと考えられる.この誘起 CD の溶媒効果および温度効果を明らかにした.(2)ハイブリッドポリマーの発光特性を有機モジュールへの官能基導入によって制御した.スペーサー部位に発光基を導入したビス(ターピリジン)と鉄イオンの錯形成によって合成したハイブリッドポリマーでは,有機モジュール部位の発光は鉄イオンによって大きく消光した.一方,親水性のトリエチレングリコール鎖を導入した有機モジュールを用いると,このハイブリッドポリマーの発光特性が格段に向上することが判明した.(3)ビス(ターピリジン)と鉄やルテニウムイオンからなるハイブリッドポリマーがエレクトロクロミック特性を有することをこれまでに明らかにしているが,電解質としてリチウム塩を含むゲル電解質を用いることで,エレクトロクロミック固体デバイスの作製に成功した.さらに 2 種類の金属イオン種を導入したハイブリッドポリマーを用いて,電圧の変化に応じで 3 色の表示が可能なマルチカラーエレクトロクロミックディスプレイを作製した.<br>
収録刊行物
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- 高分子論文集
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高分子論文集 67 (7), 368-374, 2010
公益社団法人 高分子学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681502510336
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- NII論文ID
- 10026493486
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- NII書誌ID
- AN00085011
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- ISSN
- 18815685
- 03862186
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- NDL書誌ID
- 10783983
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可