ポリスチレン熱分解生成物スチレン二量体およびスチレントリマーと<i>N</i>-置換マレイミドとのラジカル交互共重合

書誌事項

タイトル別名
  • Radical Alternating Copolymerizations of Styrene Dimer and Styrene Trimer, as Thermal Degradation Products of Polystyrene, with <i>N</i>-substituted Maleimide for Chemical Recycling
  • ポリスチレン熱分解生成物スチレン二量体およびスチレントリマーとN-置換マレイミドとのラジカル交互共重合
  • ポリスチレン ネツ ブンカイ セイセイブツ スチレン ニリョウタイ オヨビ スチレントリマー ト N-チカン マレイミド ト ノ ラジカル コウゴ キョウ ジュウゴウ

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抄録

スチレン二量体(2,4-ジフェニル-1-ブテン;STD)とN-メチルマレイミド(MMI)のラジカル共重合では,分子量約30,000の共重合体を得た.STDとMMIの可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)共重合では,分子量の比較的制御されたコポリマーが得られた.一方,スチレントリマー(2,4,6-トリフェニル-1-ヘキセン;STT)とMMIのラジカル共重合では,分子量約17,000の共重合体が生成した.STDとMMIのコポリマーとSTTとMMIのコポリマーの構造と組成を 1H NMRおよびモノマー仕込み比を変更した共重合によって検討し,両コポリマーとも交互共重合体であることがわかった.またSTDと4-アセトキシフェニルマレイミド(APMI)および4-ヒドロキシフェニルマレイミド(HPMI)の溶液共重合を行った.STDとAPMIの溶液共重合では収率が65%以上で分子量約12,000の共重合体が得られた.STDとHPMIの溶液共重合では,収率が65%以上で分子量約17,000の共重合体が得られた.ポリ(STD-co-MMI)のガラス転移温度(Tg)は,ポリ(スチレン-co-MMI)より高い値を示した.ポリ(STT-co-MMI)のTgは,ポリ(スチレン-co-MMI)と比べて低い値を示した.RAFT共重合で分子量を制御することにより,ポリ(STD-co-MMI)の分子量とTgの関係性を検討した.ポリ(STD-co-MMI),ポリ(STD-co-APMI),およびポリ(STD-co-HPMI)のガラス転移温度(Tg)は,それぞれ237°C,212°Cおよび216°Cであった.また,ポリ(STD-co-MMI),ポリ(STD-co-APMI),およびポリ(STD-co-HPMI)の熱分解温度(Td5)はすべて約330°Cで,耐熱性に非常に優れるコポリマーだとわかった.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 73 (1), 124-133, 2016

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (8)*注記

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