ポリマーブレンドの結晶化挙動

書誌事項

タイトル別名
  • Crystallization Behavior of Polymer Blends
  • ポリマー ブレンド ノ ケッショウカ キョドウ

この論文をさがす

説明

結晶性高分子に非晶性成分をブレンドすることで,その結晶成長速度や高次構造を制御できる.一相系ブレンドでは結晶成長面から非晶性成分が排除されることで結晶は時間に対して非線形に成長する.非晶性成分の排除の度合いを制御することで,球晶からラメラ晶に至る広い次元での高次構造の制御が可能になる.その具体例を高分子/高分子系,高分子/低分子系,高分子/二酸化炭素系において紹介する.最近では,シクロデキストリンーポリオレフィン包接化合物をポリオレフィンにブレンドすることで結晶核生成頻度が著しく増加する現象も見いだされている.融点以下に相図を有する場合には,結晶化と相分離の競争的な発展を利用することで,特異な結晶化挙動や高次構造が発現する.たとえば,ポリカーボネート/ポリエチレンオキサイドブレンドではスピノーダル分解に伴う up-hill 拡散によりポリカーボネートの結晶化が短時間で誘発されて,数珠状の結晶が得られる.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 68 (6), 353-369, 2011

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (200)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ